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パナソニックAIS社のニュース・ビラ No.15

後の配転裁判で博多くの見直された判決が! 大阪高裁は公正な判決を

パナソニックAIS不当配転撤回訴訟の大阪地裁判決は、会社の配転命令権を絶対的なものとする東亜ペイント事件最高裁判例を踏襲しています。しかし、その後の家族責任条約(1995年)、ワークライフバランス憲章(2007年)、育児介護休業法改正(2005年)など雇用状況は変化しています。そして、本来配転には労働者の同意が必要であり、労働契約の労使対等性を保障する労働契約法の成立(2008年)なども踏まえれば、この最高裁判例は見直されるべきであるといえます。

実際にこの最高裁判例以降の配転を扱った下級審判決の多くは、配転命令の有効性について、配転の必要性の程度や、会社の配慮の程度、配転の回避可能性、不利益の程度などを総合的に判断しています。特に、転宅を伴う配転命令については、その回避可能性があったかどうかが重視して判断されており、実質的にみて、会社にフリーハンドの配転命令権があることを前提にした比較考量ではなく、東亜ベイント事件最高裁判例は事実上、変更されていると言っても過言ではありません

見直し1 配転の必要性

会社は大阪に回路部品事業部の製造拠点がなくなることを理由として、配転が必要であるとしています。しかし、関西に本拠地を置く家電トツプメーカーのパナソニツクに於いて、鈴木美晴さんの配属先を回路部品事業部に限る必要はまったくなく、自宅から通動可能な配属先は十分にあります。現に、鈴木さんと同時に一旦は遠隔地配転を命じられた者のうち少なくとも6名は自宅から通勤圏内に再配置されています

見直し2 人選の合理性

鈴木美晴さんは、長年、検査業務に従事し、一貫して大阪の工場で就労し、両親との同居を前提にした生活が確立しています。他方で、検査業務そのものは、業種の異なる他の事業部の工場でも能力を発揮することは可能であり、現に鈴木さんは、京田辺にあるパナソニック日東に出向した経験もあり、今回の配転に際しても同僚の何名かはパナソニック日東に配属されていることに鑑みれば、鈴木美晴さんが福井工場に不可欠な存在とはいえません。

見直し3 回避可能性

パナソニツクは、関西に本拠地を 置く家電のトツプメーカーであり連結子会社450社以上をもつパナソニックが遠隔地しか就労先がないとする主張そのものが甚だ不合理であり、大阪の関連会社で多数の派遣労働者を募集している事や、例えばパナソニック日東京田辺工場などかつて鈴木さんが就労した工場も継続しており回路部品事業部からも配転されている事など、鈴木さんの実情に応じた配転先を考慮することは十分に可能です。

見直し4 不利益の程度

鈴木美晴さんが長年にわたり、大阪で生活し定着してきた事実やここにいたって両親も高齢になり、美晴さん抜きの生活不安が重大であること、そのために毎週末ごとの帰宅を余儀なくされ、その交通費の負担だけでも経済的にみれば大きな不利益を被っていることなど、その不利益の程度はきわめて著しい。

東亜ペイント事件とは

東亜ベイント大阪本店に勤める労 働者が名古屋支店への転勤命令を家庭の事情で拒否して解雇されたた 転勤命令および解雇無効を主張し提訴した事件.1審、2審は原告勝訴、最高裁で逆転敗訴(1986年)。

労働協約及び就業規則に転勤を命ずることができる旨の定めがあり、実際に転勤が頻繁に行われ、さらに入社時に勤務地を限定する旨の合意がなかった場合は、転勤命令は有効。(しかし、特に転居をともなう転勤は、労働者の生活に影響を与えあるから、これを濫用することは許れない。業務上の必要性が存しない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、転勤命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、特段の事情の存する場合には権利の濫用になる、としている。)

東亜ベイント事件最高裁判例を見直した判決の数々

転宅を伴う配転について、労働者の生活関係に影響を与え、経済的・社会的・精神的不利益を負わせるものであるから「不利益を軽減、回避するためにそれぞれ採った措置の有無・内容など議般の状況」の下、「被告会社の業務上の必要性の程度と労働者の受ける不利益とを比較考慮する」との判断枠組みを示した判決(東京地裁判決 H5.9.29)。

育児介護休業法26条の「配慮」に関して、「育児の負担がどの程度のものであるのか、これを回避するための方策はどのようなものがあるのかを、少なくとも当該労働者が配置転換を拒む態度を示しているときは、真摯に配転命令を所与のものとして労働者に押し付けるような態度を一貫してとるような場合は、同条の趣旨に反し、その配転命令が権利の濫用として無効となることがある」(東京地裁判決 H14.12.27)

住所の移転を伴う転勤は、「業務上の必要性をめぐる事情は、控訴人らごとに異なる」として、原告5名の一人ひとりについて転勤先の業務内容を詳細に検討した判決(札幌地裁判決 H18.9.29、札幌高裁判決 H21.3.26)

「既に一定の業務に就いている60歳満了型の従業員に新幹線通勤または単身赴任の負担を負わせる配転を実施してまでする業務上の必要性を認めることはできない」として労働者の生活権を重視した判決(大阪高裁判決 H21.1.15)

業務上の必要性を肯定した上でも、配転命令濫用の判断に際し、「労働者が配転によって受ける不利益が通常甘受すべき程度を超えるか否かについては、その配転の必要性の程度、配転を避ける可能性の程度、労働者が受ける不利益の程度、使用者がなした配慮及びその程度等の諸事情を総合的に検討して判断することになる」として労使の事情を含めた総合的な判断をすべしとする判決(神戸地裁姫路支部判決 H17.5.9)

東亜ベイント事件最高裁判例は見直されるべき(表) 東亜ベイント事件最高裁判例は見直されるべき(裏)

関連裁判等の予定

パナソニック裁判 不当配転訴訟
  2017年11月9日に、上告受理申立てを行いました。次回期日は未定です。

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